これからの法改正の動き

これからの法改正の動き

急務とされる種苗法の改正を再検討

種苗法の改正が継続審議となっています。
近年、わが国の優良品種が海外に流出して他国で増産され、第三国に輸出されるなどの事態が生じています。そこで、登録品種を育成者権者の意思に応じて海外流出の防止等の措置ができるようにするとともに、育成者権を活用しやすい権利とするため、品種登録制度の見直しを図ること、などが改正の目的です。
改正法案のポイントは、次のようなものです。

●育成者権が及ばない範囲の特例の創設

登録品種の種苗等が譲渡された後であっても、当該種苗等を育成者の意図しない国へ輸出する行為や、意図しない地域で栽培する行為について、育成者権を及ぼせるよう特例が設けられます。
これにより、海外へ持ち出されることを知りながら種苗等を譲渡した者も刑事罰等の対象とすることが可能になります。
輸出・栽培地域に係る制限の内容は農水省のホームページで公表され、登録品種である旨および制限がある旨の表示も義務づけられます。

●自家増殖の見直し

育成者権の効力が及ぶ範囲の例外規定である、農業者が登録品種の収穫物の一部を次期収穫物の生産のために当該登録品種の種苗として用いる自家増殖は、育成者権者の許諾に基づき行なうこととされます。

●質の高い品種登録審査を実施するための措置

審査内容の充実のため、出願者から審査の実費相当額が徴収されるとともに、出願料および登録料の水準が引き下げられます。

●育成者権を活用しやすくするための措置

品種登録簿に記載された特性(特性表)と被疑侵害品種の特性を比較することで、両者の特性が同一であることを推定する制度を設け、権利侵害の立証を行ないやすくするとしています。
育成者が特性表の補正を請求できる制度、裁判での証拠等に活用できるよう育成者権が及ぶ品種か否かを農林水産大臣が判定する制度が設けられます。

●その他

特許法にならって職務育成品種規定の充実等の措置が講じられます。また、指定種苗制度について、指定種苗の販売時の表示のあり方を明確化する措置が講じられます。

中国や韓国の種苗関連の販売サイトに日本で開発されたイチゴやブドウなど36品種の掲載が確認されるなど、日本のブランドを支える育成者権を保護するための法整備が急務といえます。こうした状況を受けて、野上浩太郎農林水産大臣は、改正種苗法案について早急に成立させる必要があると述べ、法改正への強い意欲を示しています。

注目したい法改正の動向

  • 「30人学級」に向けての提言
  • 自民党の教育再生実行本部が、小中学校の1クラスの定員を段階的に30人以下におさめるよう、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(義務標準法)の改正を政府に求めていく方針を示しています。
  • 中小企業の再編を促す
  • 菅義偉首相は中小企業基本法で定める人数や資本金の定義等を見直し、中小企業の競争力を高めるための統合・再編を促す意欲を示しています。
  • 検察官の定年延長を再検討
  • 検事総長を除く検察官の定年を段階的に65歳に引き上げる改正検察庁法案が、改めて来年の通常国会に提出・審議される方向で検討されています。
  • 国際ビジネス紛争への対応
  • 国際的なビジネス紛争の解決を図る国際仲裁を活性化することを目的として、紛争の解決手続きを定めた仲裁法の改正についての検討が法制審議会に諮問されました。
    最終的な仲裁判断を決定する前の段階で当事者の財産保全を強制的に可能とするなど、国際基準をふまえた見直しがなされる予定です。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック

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